嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
するすると縺れた糸が解けるように色々なことがクリアになっていく。顎の下のワイシャツに包まれた腕をキュッと掴んだ。
「・・・・・・・・・・良かった」
「千雪?」
「身体・・・・・だけやと思ってた。会社でバレたくないのも三条さんに知られたくないからやって・・・・・」
「・・・・・バレたくなかったのはジイさんだ。知ってたか?ウチの会社の会長」
「奈々から聞いて・・・・・」
「そっか」
「・・・・・反対されるかな・・・・・」
三条さんのように何もかも持っている人が、池上くんの隣には相応しいのだろう。けれどわたしはこの手を離せない。黙り込んだわたしの項に温かくて柔らかいものが押し付けられる。
「千雪は考えすぎや。今もしょうもないこと、考えてるやろ」
ニットの裾から手が入れられ、ゆっくり身体を這っていく。
「しゅに・・・・・修くん・・・・・!」
かぶりと後ろから耳朶を甘噛みされた。
「今、主任って呼ぼうとしたやろ?」