嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
おまけ 人気者の彼女。
朝、手を伸ばせば隣に千雪。
付き合い始めて半年、めでたく婚約が整い、3ヶ月後には結婚式だ。
待ちきれないオレは早々に一緒に暮らし始めた。
千雪の身体のことを考えて、仕事のある平日はオレのマンションで生活し、週末は京都の千雪の家で過ごす。
まるで10年分を取り戻すように、毎晩千雪を手放せないオレは重症の千雪中毒だ。
朝、ベッドにいるオレのところに千雪が入れるコーヒーの香りがしてきて、それが起床の合図。
リビングダイニングのドアを開けて千雪の姿を探す。
「遅いやないか、修」
「爺さん!?」
当たり前のようにダイニングテーブルにつき、千雪にコーヒーをサーブしてもらっていた。
「何してるんや?朝は仕事が捗るっていつもならとっくに働いてる時間だろ!」
「年寄りを労らんか。たまにサボってもバチはあたらん。なぁ、ちぃちゃん」
千雪に向かって未だかつて見たことがないような笑顔。