嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
ちぃちゃん!?
「修くん、おはよ。朝ご飯の用意出来てるよ」
テーブルの上にはフレンチトーストとサラダとヨーグルト。
よく見ればジイさんの前にも同じものが並んでいる。
「ジイさん、家で朝飯食ってないの?」
「たまにはちぃちゃんと朝ご飯を食べたいやないか」
「はあっ!?」
「修くん、早く座って食べないと会社に遅刻するよ」
クスクス笑いながら千雪が椅子を引いてくれる。
ジイさんは千雪を紹介したときからもう千雪に骨ヌキで、可愛い声で『おじいさま』と呼ぶとなんでもお強請りできそうな勢いだ。
折角の千雪との朝のひとときを邪魔しやがってと腹立たしいことこの上ない。
「おじいさま、コーヒーのお代わりがいるときは言ってくださいね」
千雪がオレの隣に座った。
そんな可愛い笑顔をジイさんなんかに見せなくていい。勿体無い。
「ホンマちぃちゃんは可愛いなあ、秘書課に部署替えしてもろたらええ」
「おじいさま、秘書課は綺麗で有能な方ばっかりやのにわたしが行っても役に立ちません」