嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


嬉しそうに親父から本を受け取る千雪。


ドラマのワンシーンのように3世代でテーブルを囲み、オレの不機嫌は誰にも気遣われず、食事となる。

オレを無視して千雪を取り合うように会話をするヤツら。



分かる。

千雪は可愛い。

千雪が笑うと幸せな気分になる。

千雪に呼びかけられると笑顔で応えたくなる。

千雪の側は心地良い。



「ーーーーっ修!」



自分が呼ばれているのにはっと気付いた。



「・・・・・・何?」



「お父さんやお母さんとも話してたんやけど、箕面のお父さんのお家をリフォームしていっそ皆でくらさへん?広さは充分あるし」



・・・何を言い出した、ウチの母親は。



「それはええなあ、ちぃちゃんも子供が出来たら大変やろうし」



おいコラ、親父。
お前、池上家の長男やろ。
嫁さんの実家に寄生してええんか?



「リフォーム、ええなあ。早速明日にでも工務店に電話して・・・」



黙れ、ジジィ。
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