嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
「し、修くん・・・?」
隣に座る千雪がオレの物騒な気配に気付いたらしく、遠慮がちに声をかけてくる。
「せえへんぞ、3世代同居なんて!頭沸いてんのか!?オレらは新婚だ、新婚!邪魔すんな!千雪はオレのだ、皆のもんと違う!」
一息に喋り、はーっと酸素を貪った。
千雪の顔が真っ赤に熟れている。
だからそんな顔はオレ以外に見せるなって。
「「「「・・・修」」」」
全員で声を揃えるな!
そして温い目でオレを見るな!
オレを見てニヤニヤすんなーーーーっっ!
『修がちぃちゃんに骨抜きのメロメロやっていうことはよぉくわかったわ』
母親が高笑いとともにそんな捨て台詞を残して皆と帰って行った。
玄関まで見送りに行った千雪が帰って来る。
「修くん」
何もなかったような普段の千雪がオレに笑いかける。
「・・・拗ねてる?」
首をこてんと傾けて問いかけてくる千雪が殺人的に可愛い。抱き上げてソファーに座り、膝の上に横抱きにした。
「・・・ごめん」