嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
気侭な独身生活を送り、仕事をさせても優秀、社内の女の子たちの人気の的でもある。
「来週早々、東京から転勤した新田の代わりが来るぞ」
「そうですか。若い子たちが期待してましたよ、独身やって聞いて」
「おう、期待しとけ。イケメンのエリートや。なんと28で主任」
「おお〜、それは優秀。みんなで取り合いですね」
「何ヒトゴトみたいに言ってるんや。戦いに参加せえへんのか?」
「いやぁ、そっち方面は枯れかけなので・・・・・」
マグカップを両手で包み込むようにして持ち、苦く笑った,
「ぶっ・・・・・枯れかけってお前幾つだ。オレでさえまだまだいけるぞ」
「朝からセクハラ発言禁止です」
ボチボチと周囲に人が増え始める。朝のわたしのお楽しみの時間はこれで終わり。
仕事の準備をしなければ。
パソコンを立ちあげると、新着メールが何件か。
順番に開けていくと、同期で秘書課の奈々からランチの誘いが入っていた。