嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


「原田さ〜ん、女子最年長やないですか。たまには間に入ってくださいよ」

「いやー、成海ちゃんみたいにおさめるスキルはないわぁ」

もう・・・・・。本当はできるくせに。

給湯室に行って、コーヒーを2つ入れて、ミーティングルームに入る前に憮然と仕事に取り掛かっている小早川さんの席に行き1つを机に置いた。

「すいません、よく言って聞かせるんで今日のところは許してください」

「・・・・・饅頭も貰ったし?」

「美味しかったでしょ?週末に並んで買ってきたんやから。また美味しいのリサーチして甘いもの回しますし」

「成海には敵わない。後でもう1個よこせよ」

厳しい小早川さんがふっと唇の端を緩める。

「了解です」

自分の席に戻り、ファイルを抱えてミーティングルームに向かった。ドアを開けると椅子に座り、肩を震わせて笑う池上くんがいる。

「怒ってる小早川に饅頭突っ込むとか面白すぎ」

「主任・・・・・笑いすぎですよ」
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