嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
「清美ちゃんもいっそ清々しいわね。堂々と主任の隣をキープやし」
「ええやないですか、原田さん。若くて綺麗なんやし。チャンスは最大限に使わないと」
皆の飲み物の追加を店員さんに注文して原田さんの隣に座った。
アルコールを身体が受け付けないわたしはアップルジュースを一口飲む。
「甘やかすなよ、成海。本当なら注文聞いたりすんの新入社員のアイツの仕事だろ」
反対側に座る小早川さんに言われた。
「小早川さん、相変わらず体育会系〜。誰がやったってええやないですか。適材適所ですよ」
「それなんか使い方おかしくないか?」
「え?そうやろか」
答えながらシーフードピザにかぶりつく。
別に自分を卑下するわけではないけれど、こういう席では可愛いコは清美ちゃんのように愛想をふりまいて周りの人を楽しくしたらいいと思う。
わたしのように裏方をするのが気が楽だという人も必要だし。
適材適所・・・・・あながち間違った使い方だとは思わないんだけどな。