嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


「だから・・・・・今日は一緒やなかったの!わたしがうっかり呑んだんやし」

「うっかりするな!!呼吸が止まったらどうすんだ!」

「すいません、僕も気付かなくて。今日は千雪さんを無理に接待の席につけてしまいましてお詫びのしようもありません」

再び池上くんが頭を下げる。

健太郎さんが、深い溜息をついた。

「いや・・・・・コイツの身体のことご存知なかったんですよね。僕も声を荒らげて申し訳ありません」

「許してやってください。妹の身体のことになるとすぐカッとするんです」

後ろから斯波先生が顔を出した。

「いえ、僕も斉川から聞いておけばよかった。っていうか斉川のお知り合いですか?」

「ああ、僕らの中高のテニス部の先輩なんです。妹がまさか同じ会社で働くとは思わなかったんですけどね」

健太郎さんが聴診器を耳に入れながら答え、わたしの首元から入れて音を聴く。

「ほとんど喘鳴がしなくなったな」
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