嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
「・・・・・だからいらないって・・・・・」
「アラサーでぼっちでクリスマスなんて寂しすぎるやんか!厳選したからどれ選んでもハズレなし!千雪が選んだら速攻で大輔にセッティングさせるし」
「わたしがハズレなような気がするけど?」
「千雪はハズレやないし!」
親子丼を箸でモソモソとかき込みながら、優しいお節介な友人を上目遣いで見る。
「別にここ何年もぼっちやし、どうしても寂しかったら実家に行くし・・・・・」
「もーっっ!この娘は!」
「気持ちだけ有り難くいただいとく・・・・・」
はぁーっと奈々がため息をつく。
「小城(こしろ)さん、無理強いはダメよ」
クスクスと笑いながらはっと息を呑むような美人が定食を持って現れた。
周囲の人もチラチラと視線を投げる。
「三条さん、お疲れ様です」
「隣、空いてる?」
「どうぞどうぞ」
奈々が笑顔で応えた。
「こっち、空いてるって」
三条さんと呼ばれた人が後ろを振り返り、誰かを呼ぶ。