この度、友情結婚いたしました。
軽蔑の目で見てしまえば、春樹は気に食わなそうに顔を顰めた。

「なんだよその目は!別にいいだろ。若さゆえの特権だよ」

春樹の言う“特権”

それはこいつに特定の彼女がいないということ。
早く言えば遊び人なのだ。

春樹曰く、若いうちじゃないと遊べないから、今のうちにめいいっぱい遊ぶそうだ。
そして四十歳手前くらいで、二十代の若い子と結婚するとかふざけたことをほざいている。

奴のこんな最低な一面も知っている私から見れば、どうしてこいつがモテるのか謎なのだ。

なんなの?
遊ばれてもいいからコイツと付き合いたいの?
そんなに魅力がある奴なの?

散々心の中で毒づいていると、幼なじみの彼には伝わったのか、ますます顔を顰めた。

「おいこら、まどかてめぇ今心の中で散々俺のこと、けなしているだろ?」

「えっ!すごい。どうして分かったの?もしかして春樹ってばエスパー?」
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