この度、友情結婚いたしました。
しっかりと閉められてしまったカーテンにクスリと笑いを零し、そのまま私も自分の部屋に入った。

きっと春樹とはこの先もっと大人になっても、今の関係を続けていけると思うの。
お互い結婚して子供ができておじいちゃん、おばあちゃんになっても、ふざけ合っていると思う。

そんな未来が想像できちゃって笑えてしまう。


そんな未来のためにも、ここでクヨクヨなんてしていられないよね。

派遣切りは仕方ない!
ここはもう割り切って残りの契約期間を全うして、また次頑張ろう。

今度はちゃんと正社員として雇ってもらえるように……。

――そう、思っていたんだけど……わずか数日後、私の運命は大きく変わろうとしていた。



「お世話になりました」

六月中旬――。
契約は今月いっぱいだったけど、残りは有休を消化することになっていて、今日が出勤最終日だった。

「内村さんがいなくなっちゃうの、寂しいわ」

そう言ってくれたのは、私の教育係を務めてくれた社員さん。
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