この度、友情結婚いたしました。
「なんだよ~!だったら早く言ってくれよ。てっきり俺は浮気はするなって意味だとばかり思っていたぜ。だから仕方なくまどかで……と思っていたけど、そっか。んじゃ遠慮なくしてくるわ」


ちょっと?「仕方なくまどかで……」ってなによ。
その後に続く言葉を言ってみなさいよね。


イラッときたものの、ここでまた口を挟んで色々言われても面倒になるだけだ。
怒りをグッと飲み込み、浮かれる春樹に釘を刺した。


「けど私に二度と迷惑かけないようにしてよね!」

「はいはい、分かってますよ。あっ、明日楽しんでこい歓迎会!」


すっかり上機嫌になり、私に絡むことなくさっさとお風呂に行ってしまった春樹に、どっと疲れが押し寄せた。


「なんなんだ、あいつはもう……!」


鬱憤を晴らすように、ゴシゴシと食器を洗っていく。

だったら最初から好き勝手に、外で遊んでくればよかったじゃない。
しかもなに?あれだけここ数日騒いで迫ってきていたというのに、私は用済みですか?

そう思えば思うほどますますイラッとくる。


節水もなんのその。
水をたっぷり出し豪快に食器の泡を流していく。
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