この度、友情結婚いたしました。
呼び出し音が一回鳴るとすぐに電話に出た。

『着いたのか!?』

すぐに聞こえてきた切羽詰った声。

「着いたけど、春樹あんたねぇ……!」

『すぐ行くから!』

早速文句を言ってやろうと思ったけど、一方的に電話は切られてしまった。

通話が切れた音が虚しく響く中、しばしの間立ち尽くしてしまっていると、宣言通り春樹はすぐに来た。
血相を変えて、全力疾走で。

「えっ、春樹?」

ただならぬ様子に身構えてしまう。

一体彼になにがあったというのだろうか。

「悪い、まどか。待たせたな」

「いや、別に……」

近くまでくると今度はなぜかぎこちない笑顔を見せてきた。

「でもまどかも悪いんだからな。いくら俺に会いたいからって、会社まで来るからさ」

はっ、はぁ!?

春樹はなにを言っているのだろうか。
来いって言われたから私は渋々来たわけで、一言も会いたいなど言っていないし、そんなこと微塵も思っていないんですけど!

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