この度、友情結婚いたしました。
ますます分からなくなっていく琢磨の本音に、その後話した会話や料理の味など、分からなくなっていった。



「それじゃふたりとも、また来週からよろしくね」

「はい。今日はごちそうさまでした」

「たくちゃーん！ちゃんとまどかちゃんのこと、送り届けなさいよね！」

「分かっていますから、早く乗って下さい」


店先に呼んだタクシーに乗り込むふたりを、琢磨と見送っていた。

「お疲れ様」

俊哉さんはすっかり酔っている真希さんを奥に乗せ自分も乗り込むと、そのままタクシーは去っていった。


「さて、と。俺達も帰るか」

「うっ、うん」


必然的な流れだと思う。
酔った真希さんを抱えては、電車で帰れないからふたりはタクシーで帰ったわけで……。

私と琢磨の家はお互いここから電車で数分の距離だ。
そうなるとこの流れになるのは必然的。


でも、な。
さっきの一件があったからか、まともに琢磨の顔が見られないから困る。
このまま最寄り駅まで一緒かと思うと、短い距離ながら気が遠くなりそうだ。
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