この度、友情結婚いたしました。
疑問をぶつけるように見つめていると、琢磨はバツが悪そうに視線を逸らし、ぶっきらぼうな言葉で語り出した。


「まどかは知らないかもしれないけど、昔……俺が浮気しちまった時、アイツに殴られたんだよ」

「……嘘」

春樹が琢磨を殴った？

信じられない話に、琢磨の腕を掴む手の力が弱まっていく。


「嘘じゃねぇよ。……言われたんだよ、アイツに。どうしてまどかを泣かせるようなことしたんだって。そんな奴に、まどかを任せられるかって」


どう見ても琢磨が嘘を言っているようには見えないけど、簡単に信じることなんてできないよ。

だってあの春樹だよ？アホでバカで、節操がなくて……。
そんな奴が私のために、琢磨にそんなことを言っていたなんて。


「……なのに、なんだよっ。偉そうなこと言っていたくせに、結局俺と同じことしてるじゃんか。だからまどかには悪いけど、俺はあいつを一発殴らねぇと気が済まねぇ」

「あっ、待って琢磨！」


再び春樹を追い掛けようと走り出した琢磨を、急いで引き止める。

今度は背後からガッチリホールドすると、この行動が思いもよらなかったのか、琢磨は勢いを失い足を止めた。
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