この度、友情結婚いたしました。
「おまけに殴った理由はまどかが帰ってこない限り話さないって言って、ずっと居座り続けているし！なに言ってもシカトしやがって……！」

敵対心を剥き出し興奮している春樹とは違い、琢磨はどこか落ち着いていて、まるで汚いものを見るように春樹を見据えている。


「離せよ、くそ野郎が」

「なっ……！なんだと！？」

琢磨には似つかわしくない汚い言葉に、春樹は声を荒げた。

今度は春樹が琢磨を殴ってしまいそうな勢いだ。


「もーいい加減にして！春樹も琢磨も！」

無理やりふたりの間に入り、交互に睨みつける。

冷静さを取り戻したのか、春樹が掴んでいた腕を離すとふたりともバツが悪そうに、そっぽ向いてしまった。

「珈琲でも淹れるね」

このままでは話もできないと判断し、先頭を切ってリビングへ向かうと、背後から渋々ふたりもついてきた。



「はい、どうぞ」

珈琲メーカーで三人分の珈琲を淹れ、いまだにそっぽ向いたままソファーに座っているふたりの珈琲をそれぞれローテブルに並べた。

対面する形で座っているふたり。

どっちかに座るわけにはいかず、誕生席に当たる絨毯の上に座ったものの、どうしたものかと頭を悩ませてしまう。
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