この度、友情結婚いたしました。
昨夜聞いた時、琢磨には悪いけど半信半疑だった。

でも今の春樹は明らかに動揺していて、なぜか私の様子をチラチラと窺っている。

そんな姿を見せられてしまったら、真実なのではないかと思わされてしまう。


「どうしてそんな昔話を持ち出してくんだよ。つーかなんでお前が今さらまどかの周りをうろついているわけ?お前ら、もうとっくの昔に終わっているじゃねぇか」


息つく間もなく言う春樹に、琢磨はまた笑った。

「なに?まどかからなにも聞いていないわけ?俺ら今、一緒に働いているんだけど」

「――は?一緒に働いている?」

すぐにこっちを見てくる春樹に、ハッとする。


そういえば私、春樹に言っていなかった。
新しい職場に琢磨がいるってことを。

別に内緒にしたくてしていたわけじゃなかった。
完全に言う機会がなかったというか、話す必要がなかったというか、それどころではなかったというか……。


「ごめん、言うの忘れちゃっていたね」

謝ってはみたものの、春樹は表情を歪ませた。


「あぁ、聞いていなかったな。もし聞いていたら、就職勧めなかったよ。誰が賛成するか!琢磨と同じ職場に就職なんて」

「それはお生憎様。俺だってもっとまどかと早く再会していたら、お前との結婚を全力で阻止してやったよ」
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