この度、友情結婚いたしました。
再び喧嘩腰になるふたりに、もうどうしたらいいのか分からなくなる一方だった。

そもそもどうしてふたりはこんなに仲が悪いの?
少なくとも、中学時代までのふたりは親友と呼べるほど仲が良かった。


高校が別になってしまい、私と琢磨が付き合い始めてからは、気を遣ってかふたりで会っているところを見なくなったけど……。


「アホらし。琢磨に止められても、俺はまどかと結婚してたっつーの!」


売り言葉に買い言葉だったはず。
それなのに、なぜか私の胸は騒ぎ出す。


なんで乱されているんだ!奴は絶対なんとも思っていない。
ただ琢磨と張り合うためだけに言った言葉に違いない。

それなのに一々反応してしまう自分が憎い。


「止められてもまどかと結婚したかったなら、どうして結婚した今、浮気してんだよ」

「……は?浮気?」

「あぁ、まどかから聞いていないのか?昨夜、ふたりで見たんだよ。お前の浮気現場を!」


いつになく声を荒げる琢磨に、春樹は唖然としてしまった。

まさか昨夜の現場を私と琢磨に見られているとは、夢にも思わなかったのだろう。

押し黙ってしまった春樹に、琢磨は声を荒げ続けた。
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