この度、友情結婚いたしました。
「同じことをしてまどかのこと傷つけているんじゃねぇよ!」

「琢磨……」


無意識に琢磨の名前を呼んでしまう。

昨夜も思ったけど、どうして琢磨はそこまで私のために怒ってくれるの?
怒って春樹のこと殴っちゃったんでしょ?どうしてそこまで……。

喉元になにかつっかかっているようで、心が落ち着かなくなる。


「だからお前を殴ったんだよ。……まどかが昨夜あんなに泣いていたっていうのに、お前がのほほんと出てきたから」

「は……?泣いていた?まどかが?」


信じられないと言いたそうな声を上げる春樹に、変な汗が流れそうになる。

私が泣いてしまったことは真実だ。

それに琢磨からしてみれば、夫に浮気された私が泣いたって、それは当たり前なこと。

でも春樹にしたら、耳を疑うようなことだ。


私と春樹の間にあるのは友情のみ。
なのに自分が浮気したくらいで私が泣いた……なんて青天の霹靂に違いない。

どうしよう、さっきから春樹の視線をバンバン感じちゃって、顔を上げられないんですけど。


いよいよ汗が流れそうになった時、琢磨が声を上げた。

「まどかが好きだから結婚したんだろ?……だったら傷つけず大切にしろ。俺が言いたいのはそれだけだ」
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