この度、友情結婚いたしました。
「夫とデートしてきます」
朝陽がカーテンの隙間から差し込み始めて、どれくらいの時間が経っただろうか。
そっと布団から顔を出し、目覚まし時計を確認すると、アラームが鳴るように設定してある一分前だった。


「そろそろ起きないと……」

アラームが鳴る前にベッドから起き上がり、設定を解除した。


幼い頃から何度も“このまま朝がこなければいいのに……”と思ったことがある。

大嫌いな発表会やテスト前日の夜とか、次の日に嫌なことがあるって日の夜とか。

だけど今日ほど〝朝がこなければいいのに〟って強く思ったのは、初めてかもしれない。

それほど今日という一日が始まらないでほしかった。
一生昨日のままで、時間が止まってほしかった。

なんて子供染みたお願いをしたところで、今の状況が変わるわけではない。


おまけに今日は月曜日。
また忙しない一週間が始まる。


渋々ベッドから起き上がり、カーテンを開けると今日も雲ひとつない快晴。
青空を見たら、少しだけ気持ちが浮上した気がした。


昨日の日曜日はひたすら春樹から逃げていた。


朝早くに起きて家を飛び出し、一日中外で過ごして夜遅くに帰宅。
もちろん外出中、何度か春樹から連絡がきたけれど、そこは完全スルー。
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