この度、友情結婚いたしました。
まじまじとテーブルに並べられている朝食を見つめてしまっていると、急に「あのさ……」と言葉を濁しながら話し出した。


「昔からずっと俺を見ているまどかから見て、俺は最低な男だろ？」

「……うん、まぁ……」


そこは否定できない。
素直に頷くと、春樹は「だよなー」とガックリ項垂れた。


「だから頑張って変わろうと思って」

「え、変わる？」

首を傾げてしまうと、春樹は大きく頷いた。


「昨日一日ずっと考えていたんだけど、やっぱ俺はまどかのことが好きだよ。……いつもみたいにすぐ心変わりするはずもないと思う。だってそうだろ？今までずっと一緒にいてやっと気づいたんだから」

「春樹……」


面食らってしまう。

だってずっと春樹が私を好きとか、信じられないって思っていたから。
でもこんな風に真面目にしみじみ言われちゃったら、嫌でもドキドキしちゃって、本当なんじゃないかって思わされちゃう。


「それと一昨日は悪かった。なんかこう……気持ちが昂ぶっちゃって我慢できなくて、つい……。でも、もう二度と無理やりとかしないから！……大切にしたいし」

照れ臭そうに話す春樹に、今は夢の世界なのではないか？と疑ってしまう。
< 224 / 379 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop