この度、友情結婚いたしました。
「一昨日も言ったけど、まどかが今幸せならいいんだ。……あれから春樹とはちゃんと話し合ったんだろ?」

「……うん」

ダメだ。また琢磨の顔が見えなくなっていく。


「それならいいよ。ふたりがうまくいっているなら、俺は。……これがもし、うまくいってなかったら、迷いなくまどかを奪いにいっていたけど」

「え……?」

サラリと爆弾を投げたよね?

まじまじと顔を見つめてしまうと、琢磨はまた少年のように微笑んだ。


「言っておくけど冗談じゃねぇからな。もしまどかが結婚していなかったら、迷いなく告白していたよ。……俺、けっこう未練タラタラだったから」

「琢磨……」

「再会できた時は夢じゃないかって思ったよ。その数分後に指輪を見て撃沈したけどな」


指輪に目配せされてしまうと、無意識のうちに右手で隠したくなってしまう。


「でも幸せならいいよ。……これからも同僚として仲良くしてくれれば」


心臓の痛みを和らげるように、右手で左手をギュッと握りしめてしまう。

「そろそろ行こうか。遅刻する」

「……う、ん」
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