この度、友情結婚いたしました。
終わりのないやりとりにジロリと横を見れば、予想通りニタニタ笑う春樹と目がかち合う。

「バカ春樹」

「言っておくけどな、バカって言う奴がバカなんだぞ」

何を言うか、その口で!

イルカそっちのけで春樹ばかり睨んでいると、春樹は愉快そうに笑うばかり。


「やっといつものまどかになった。……その方がいいわ、落ち着く」

「……っ言っておくけど、そうさせたのは春樹のせいだからね!」

その方がいいって言うけど、いつもの私らしく振る舞えなかったのは全て春樹のせいだ!

恨みを込めて言うも、全く堪えていない様子。


「はいはい、俺が悪いでいいですよ。ほら、そろそろ始まるぞ」

なにその俺が悪いですよって。頭にくる!


でも久し振りかも。
こんな風に春樹と言い合いするの。

始まったイルカのショーを眺めながら隣を盗み見ると、なんだかんだ言って春樹も目を輝かせちゃっている。

まるで子供みたいで笑ってしまった。

なによ、自分だって充分楽しんでいるし、喜んじゃっているじゃない。
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