この度、友情結婚いたしました。
次の瞬間、イルカが豪快なジャンプを披露し、バシャっと大きな水しぶきが飛んできた。

「ぎゃっ!?」
「うわっ!?」


水がかからないゾーンに座っていたというのに、まさかの水しぶきにお互い声を上げてしまう。


『今日はお客様がいっぱい来てくれたので、高くジャンプしてくれましたー!』


飼育員のお姉さんのアナウンスに会場内は笑いに包まれるも、お互い頭から水を被った私達は呆気にとられてしまい、見つめ合ってしまう。

そしてどちらからともなく、笑い出した。


「ちょっとまどかさん、顔が可愛いパンダさんになっていますよ?」

「そういう春樹さんも、水も滴る最低男になっていますよ?」


お互い悲惨な状況になっているというのに、笑いが止まらない。


「あの、よかったらこれお使いください」

次々と従業員のお姉さんが、私達同様濡れてしまったお客にタオルを配って回ってくれた。

「すみません」

お姉さんからタオルを借りて拭いている最中も、ふたりとも可笑しくてクスクス笑ってしまった。



それからはもういつも通りの私達だった。
ふざけ合って、罵り合って、一緒に笑って。

結婚してから忘れちゃっていたけど、春樹と一緒にいる時はいつもそうだった。
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