この度、友情結婚いたしました。
春樹の言うように私の顔はブサイクになる一方だ。

現に今も思い出すと……あぁ、きっとブサイク度二割りほど増したな、これ。

一切春樹の方を見ることなく、黙々と食べ進めていると、大きな溜息が聞こえてきた。


「なぁ、どうしてここで機嫌が悪くなるわけ?俺、まどかの機嫌を損なうことなんて、なんもしてねぇけど」


こいつ……!それ、本気で言っているのだろうか!
さっき私が不機嫌な理由をこれでもかってくらい言ったというのに、なにも分かっていないって言うの!?


怒りを通り越して呆れ返ってしまう。
すると春樹はますます呆れるようなことを言ってきた。


「服だってまどかに似合うやつ買ってやったし、さっきだってアイツらにちゃんと俺はまどか一筋だって伝えただろ?おまけにお姫様抱っこって女子の憧れなんじゃねぇの?」


空いた口が塞がらない。
やっぱり春樹はバカでアホでマヌケだ。


「ねぇ、さっきのおふたり様とはどういったご関係で?」

ピクピクと疼く額を押さえるように笑顔で問いかけると、あからさまに春樹は目を泳がせた。


「別に?ただの昔の友達だけど」

「ふ~ん……昔の友達、ねぇ」

疑いめいた目で見ると、春樹の目は泳ぐばかりだった。

「どーせ昔遊んでいた子達なんでしょ?下手な嘘つかなくても、バレバレですから」

嫌味を込めて言うと、面白くなさそうにそっぽ向いてしまった。
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