この度、友情結婚いたしました。

真意が全く読めない彼の言動に、返す言葉が見つからずにいると、春樹はその言葉の意味を語り出した。

「あの、さ……今日、わざわざまどかに会社まで迎えに来てもらっただろ？それにはちょっとワケがあってさ……」

すっかり忘れてた。私が今日、春樹の家に来た理由を。

「そうだよ、それ聞きたい。なにがあったわけ？」

あんな白々しい演技までするほど切羽詰まっていたんでしょ？
一体彼に何があったというのだろうか。

問い詰めると春樹は言いにくそうに話し出した。

「その……お恥ずかしながらちょっと手を出した子に、ストーカーされてまして」

「は……はぁ！？ストーカー！？」

びっくりしすぎて大きな声を出してしまうと、春樹は慌てて掴んでいた私の手を離し、両手で私の口を塞いだ。

「バカ！声でけぇからっ！」

「こっ……こめぇん」

塞がれた手に寄って声がこもりながらも謝ると、春樹は大きく息を吐くとそっと口元から手を離した。

「っとに、勘弁してくれよな。こんなこと親には知られたくねぇし」