この度、友情結婚いたしました。
ゾッコンって……！そう、なのかなぁ。

それはそれでちょっと屈辱的な気がしてしまうのは、相手が春樹だからかもしれない。

そんなことを考えていると、あさみはビールを煽りながらしみじみ語り出した。


「だけどまぁ、人生うまくできていると言うかなんというか。琢磨と再会したのをきっかけに、あんた達がうまくまとまったりしたら、そりゃ琢磨的には面白くない話だよね」

「――え？」


急に琢磨の名前が出たものだから、ドキッとさせられてしまった。
それに気づいてあさみは、少しだけ身を乗り出して力説してきた。


「だってまどかに昔のこと、後悔しているって言ってたんでしょ？それに今日の物言いといい……ありゃ間違いなく、まどかに未練タラタラね」


腕を組んで深く頷く姿に、あさみってばまるでご年配のおじいさんみたいだな、と思いつつもさっきの言葉が頭に引っかかった。


「ねぇ、やっぱりそうなのかな？琢磨はその……まだ私のことを想ってくれているのかな？」

自信がなくてそろりと声を潜めてしまうと、あさみは目をパチクリさせた。


「当たり前じゃない。っていうかまどかのことを好きじゃなかったら、バカ春樹に啖呵切ることしないでしょ。まどかのことが好きだから、あの琢磨が春樹と張り合うくらい、取り乱していたんじゃないの」


淡々と話すあさみに、今度はこっちが目をパチクリさせてしまう。

「でっでも、私達もう別れて十年以上経っているんだよ？いくら別れた時後悔していたからって、今さら……」

「それだけ琢磨はまどかのこと、本気で好きだったってこと」

いよいよ言葉を失ってしまう。
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