この度、友情結婚いたしました。
ましてや私の中で春樹は、友達以上の見えてきてしまっているというのに。

老後の楽しいひと時を待って、ひたすら耐えられる?春樹の浮気を黙認して。

いや、考えただけで無理。本当に春樹のことを好きになってしまったら、到底耐えられないと思うもの。
ならいっそのこと、あさみの言う通り思い切って離婚しちゃうのも手なのかも。


それに琢磨となら、こんな心配することなく心穏やかに暮らせるはず。

春樹と結婚して気持ちが傾いちゃったくらいなんだもの。

この先一緒にいるのが琢磨だったら?初めて好きになった人で、嫌いで別れた人じゃないもの。
もしかしたら昔よりもっと好きになれるかもしれない。


そこまで思いを巡らせた瞬間、ハッと我に返る。

「いやいやいや!これじゃ春樹のこと言えないから!」

「ちょっとなによ、びっくりするじゃない。急に大きな声出して」

「あっ、ごめん」


いけない、あまりに身勝手な考えすぎる。

決めたじゃない。春樹と楽しく老後を過ごすために結婚を受け入れるって。腹を括ったはずなのに……。

突然現れた琢磨に心揺れちゃうなんて、私も春樹のこといえない。

これ、世間一般で言う立派な浮気じゃないですか?


ますます見えなくなるばかりの自分の気持ちに、ひたすら頭を抱え込んでしまった。


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