この度、友情結婚いたしました。
「夫の愛は偽物なのでしょうか？」
習慣とは恐ろしいもので、今日からまた一週間が始まるかと思うと、目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまった。
それが例え、自宅ではなくあさみの家でも同じことだった。


「あさみー、起きて！そろそろ準備しないと遅刻しちゃうよ」

「う～ん……あとちょっと……」


勝手にキッチンを拝借し、簡単な朝ご飯を作り終え、いまだに眠る親友を起こしにかかるも、なかなか起きない彼女にハッとする。


そうだった、あさみは昔から朝が弱いんだった。
それは成長すればするほどで、高校時代待ち合わせのたびに何度待ちぼうけを食らったか。

ふと部屋を見渡すと、目覚まし時計が三つも置いてある。


なるほど。三つ使ってやっと起きれているのか。

妙に納得していると、次の瞬間けたたましい音が三つ、一斉に鳴り出した。


「ギャー！なにこれ！」

すぐさま耳を塞ぎ、次々と解除しようと試みるもどこを押しても止まらない。

「あー……まどか違う違う。私の声で認証しないと止まらないの」

「え、声？」


さすがにこのけたたましい音の中では眠っていられなかったようで、のっそりとベッドから起き上がると目覚まし時計それぞれに「おはよう」と話掛けていった。

するとあれほど止まらなかった目覚まし時計が一瞬にして止まった。

すごい、今はこんな目覚まし時計も売っているんだ。

唖然としていると、あさみは呑気に欠伸をしながら寝室を出ていく。
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