この度、友情結婚いたしました。
「全くもう……」

呆れつつ、二人分の食器を片づけ私も出勤する準備を進めた。



「はい鍵!悪いけど私の方が遅いと思うからよろしくね」

「了解、気を付けてね」

「そっちも」


駅の改札口で別れ、ホームへと向かっていく。

あさみの家からの方が通勤時間短くて楽なんだよね。

そんなことを考えながら階段を下りて行く中、考えてしまうのは今日のこと。


今から仕事に行くということは、嫌でも琢磨と顔を合わせてしまうということだ。春樹とは家にさえ帰らなければ会わずに済むけど、琢磨とはそうはいかない。


出勤すれば必然的に会ってしまう。おまけに従業員数たった四人だし。変に意識しちゃっていたら、真希さんと俊哉さんに感づかれちゃうだろうから、気をつけないと。


平常心、平常心!と心の中で何度も唱えながら電車に揺られていった。



「おはようございます」

「あっ、まどかちゃんおはよう」

事務所に着くと既に真希さんが出勤していて、観葉植物に水をあげているところだった。

「給湯室の方はまだですよね?やってきますね」

「ごめんね、助かる」

すぐに荷物をデスクに置き、給湯室へと入る。


うん、ここまでの私いつも通りだよね?琢磨が来ても、この調子で乗り切ろう!
確か今日琢磨はほとんど外に出ていた気がする。きっと朝だけ顔を見せるだろうから、それを乗り切れば……!
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