この度、友情結婚いたしました。
珈琲メーカーをセットしつつ、そんなことを考えていると「おはようございます」と早速琢磨が出勤してきた。


あれほどこの調子で乗り切ろう!と意気込んでいたというのに、声が聞こえてきただけで心臓が飛び跳ねてしまった。
おまけに珈琲豆をシンクにぶちまけてしまうという、オプション付き……。


あぁ、何やっているのよ私。全然通常運転できていないじゃない。
声聞いただけで動揺しすぎ!

喝を入れ、ぶちまけてしまった珈琲豆を拾っていた時。


「真希さん、まどか給湯室ですか?」

「えぇ、そうよ」

まさかの声にギョッとしてしまう。


えっ!なんでいきなり琢磨来ちゃうわけ!?

ますますテンパってしまい、とうとう珈琲メーカーを豪快な音を立てて落としてしまった。

「ギャー!」


やってしまった!もしや壊れちゃったりした!?

慌てて拾い上げたその時。

「なにやってるんだよ、朝から」


すかさず琢磨が珈琲メーカーを拾い上げてくれた。
途端に顔を上げられなくなり、心臓は速く脈打っていく。


「ごっ、ごめん」


うう、恥ずかしい。顔も見れないし、これじゃ動揺しているのバレバレじゃない。

そう分かっていても、どうすることもできずスカートをギュッと握ってしまう。
すると琢磨は大きく息を吐いた。
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