この度、友情結婚いたしました。
「そんなこと言っている場合じゃないでしょ!?どうするのよ!刺されたりしたら!」

声を張り上げる私に春樹は目をパチクリさせた。
それでも私の怒りは収まりそうにない。

「テレビでよく見るけど、ストーカーってだんだんエスカレートするんだよ!?それに今だって充分危害与えられているじゃない!精神的に!!」

「そう、だけどさ……」

私の迫力に圧倒されているのか、瞬きをせず見つめてくる。

「そうだけど、なによ!」

また怒りをぶつけるように、ぶっきらぼうに尋ねると春樹は頭を掻き出した。

「その……元はといえば俺が悪いわけじゃん?」

「その通りですね!!」

珍しく春樹が反省しているけれど、怒りがまだ収まらず言葉がトゲトゲしくなってしまう。
それでも春樹はめげることなく、話を続けた。

「だからさ、警察沙汰にすることなく解決したいわけ。……そこで今さっき思い付いたのが、俺とまどかの結婚ってわけだよ」

「名案だろ?」と言わんばかりにドヤ顔ですけど、そこに結びつける意味が全く分からない。
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