この度、友情結婚いたしました。
あの日、緊張で二十分前に待ち合わせ場所に来たのにも関わらず、琢磨は私より先に来ていたんだよね。

そしてさっきみたいに私の姿を見つけると、嬉しそうに駆け寄ってきてこう言ったんだ。
「来なかったらどうしようと思った」って。


もしかして今日も昔みたいに不安にさせちゃっていた……？


そう思うと胸が痛む。

ちゃんと考えようって決めたんだ。

今日はめいいっぱい琢磨との時間を楽しもう。

再度心に誓い、映画館へと向かっていった。



「はー、すっごい良かった映画！」

「あぁ、特にラストは感動だったな」

琢磨が用意してくれていたのは、以前から見たいと思っていた小説が原作の恋愛映画だった。

切ない恋のお話で、昔から何度も読んだ作品だったから映画化するって聞いた時は、絶対観に行こうと決めていた作品だった。


「でもよく分かったね、私があの映画観たかったなんて」


同じ職場で働いているといっても、そんな話一度もしたことなかったのに。

不思議に思い問いかけると、琢磨は得意気に言ってきた。


「そりゃ分かるさ。多分俺、まどかのことならなんでも分かる自信ある」

「なっ……なにそれ！」

とんだ殺し文句なんですけど！
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