この度、友情結婚いたしました。
「よかったな、まどか」

「本当!あのバカ春樹め!あとでみっちり絞めないとね!これだけまどかに心配かけたんだから」

「そうだな」


口々に交わされるふたりの会話に、やっと笑うことができた。

本当によかった。春樹が無事で。
もう二度と会えなかったらどうしようかと、何度思ったか……!



「ねぇ、本当に泊まるつもり?だって明日にならないと春樹に会えないんだよ?」

「それは分かっているんだけどやっぱりそばにいたいし、一番に会いたいしさ」


そろそろ帰ろうか、となったけれど、私はここに残ると伝えた。

いくら明日にならないと会えないと分かっていても、ここで家に帰ったところで眠れるはずないだろうし、落ち着かないもの。


「でも――……」

「あさみ、いいから俺達だけ帰ろうぜ。……まどかの気持ち、わかってやれ」


琢磨……。


琢磨に言われ、渋々納得してくれたようだ。


「まどか、ちゃんと明日春樹に伝えろよな。……それで今度こそ幸せになれ」

「そうね、琢磨じゃなく春樹を選んだ以上嫌でも幸せになりなさいよ」

「うん、ありがとう」
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