この度、友情結婚いたしました。
本当にありがとうね、ふたりとも。

心の中で深く感謝してしまう。


「それと安心しろ、身を徹して守ったんだ。……あいつにとってもまどかは、なくてはならない存在なんだよ」

「琢磨……」

「おやすみ」そう言い残し、琢磨とあさみは帰っていった。



ひとり誰もいない待合室で、明日になるのを待っている中も、考えてしまうのは春樹のことばかり。

琢磨の言うように、春樹にとっても私は同じ存在なら嬉しい。……けれど例えそうじゃなかったとしても、私の気持ちはもう変わらない。


春樹が好き。


きっとこの先浮気されようが、どんなに罵られようがこの気持ちは変わらないと思う。

だから明日、ちゃんと伝えよう。……春樹に私の気持ちを全部――……。




「……さん、大沢さん」

名前を呼ばれ身体を揺すられた瞬間、ハッと目覚めた。

いつの間にか朝を迎えていて、飛び起きた私を見て看護士さんは驚いている。


「あっ、すみません」

すぐに謝ると看護士さんもハッとし、「もう面会大丈夫ですよ」と声を掛けてくれた。
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