この度、友情結婚いたしました。
すぐに離れていく春樹の顔を凝視してしまっていると、彼は瞼を開けた瞬間思いっきり口角を上げた。


「驚きすぎ。……けどまぁ、そんなアホ顔も愛しいと思えるからやばいわ」


え……なっ、なんじゃそりゃ!
アホ顔も可愛いとか言われちゃいましたけど!!


けれどそれ以上春樹は何も言わず、足早に寝室へと向かっていく。
器用にドアを開け真っ直ぐベッドに向かうと、そっと私を下ろしてくれた。


背中に触れるシーツが冷たくて、緊張と恥ずかしさで熱くなってしまった身体の熱が、少しだけ取れた気がする。


「まどか……」


ギシっとベッドの軋む音と共に覆い被さってきた彼の表情は、男の色気がダダ漏れしちゃっていて、すぐに身体の熱でシーツは熱くなってしまう。

「……春樹」

名前を呼べば優しく頬や額、首筋へとキスが落とされていく。


くすぐったくて、時々漏れる彼の吐息に身をよじってしまう。
最後にリップ音を立て額にキスを落とすと、大きな手で頬を振れたまま至近距離で囁いた。


「好きだよ、まどか」


真っ直ぐ目を見て言われちゃったら、もうどうしようもない。
恥ずかしさを誤魔化すこともできないじゃない。
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