この度、友情結婚いたしました。
必死に自分にそう言い聞かせていると、春樹は顔を上げ両手で私の両頬を優しく包んだ。


「なんだよ、言いたいことあるなら言って。……俺、まどかのこと大切に想っているから。だからまどかが嫌なら無理にしたくないし」

「春樹……」


その言葉だけで、ちゃんと春樹に愛されているって実感させられてしまう。

不安も消し飛んじゃうよ。だって春樹ならどんな私でも受け入れてくれるでしょ?
昔から嫌ってなるほど、私のことを理解してくれている春樹なら――……。


「あのさ、春樹」

「ん?なに?」


正直に話しちゃおう。春樹には全部。

今も甘い瞳で私を見下ろす彼に、羞恥心を捨てて本音を吐露した。


「そのさ、私は春樹ほど経験豊富ではないわけでして……」

「うん、それで?」

「それでその……春樹さんをガッカリさせないか心配になっちゃって」

「は?」


一瞬にして怪訝そうに顔を顰める。

「なんだそれ、バカまどか」

「痛い痛い!」


さっきまでの甘い雰囲気なんてどこへやら……。あろうことか春樹は思いっきり私の頬を抓り出した。
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