この度、友情結婚いたしました。
「それと研修期間を設けて頂いたからには、青葉さんも私のこと見定めしてください。もし力量足らずでしたら、遠慮なく切っていただいて結構ですので」


たった三人だけの、しかも法律事務所という職場でしょ?


派遣で事務職をしたことがない私に務まるか不安がある。
それなのに、ご厚意で雇ってもらってもふたりにとって私は、期待外れだったら申し訳ないもの。

そんな状況で一緒に仕事をするのも、雇ってもらい続けるのも嫌だ。

長く続けたいからこそ、認められたい。


そんな思いで伝えると、ふたりは目を丸くさせ固まってしまった。

けれどそれもほんの数秒で、お互い顔を見合わせると我慢できなくなったように噴き出し、声を上げて笑い出した。


「もーやだぁ。やっぱり私って人を見る目がありすぎるわ」

「確かにそうだな。反応も言ってきたことも、全く同じだもんな」

「え……えっ!?」


目の前で急に笑われるも、私には意味が全く分からず入っていけない。


青葉さんの言う〝反応が同じ〟ってなに?
過去に私と同じ言動を取った人がいたのだろうか?
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