わたしは年下の幼馴染に振り回されています
「わたしとあなたじゃそう思っても仕方ないと思うよ。本田さん、すごく可愛いから」

 そう口にしたとき、彼女の白い肌が一気に赤く染まる。

「変なことを言わないでください」

 そう強く言い放たれても、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。

「わたしは諦めませんから」
「うん」

 彼女でもないわたしが諦めろとか言うのも到底おかしな気がしたし、彼女を身近に感じたのかもしれない。

 彼女は頬を膨らませてわたしを睨む。

「もういいです」

 そう彼女はわたしに背を向け、歩き出そうとした。その彼女の足元がふらついた。
 わたしは思わず彼女の傍に駆け寄っていた。

 さっきは赤く染まっていると思った彼女の顔が青く染まり、息が荒くなっていた。

「大丈夫? 体調悪いの?」

「大丈夫です」

 彼女の声はかすれ、弱々しかった。

「保健室に行こうよ。わたし、送っていくから」

「大丈夫ですから」
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