わたしは年下の幼馴染に振り回されています
「本田?」

 拓馬が友人と一緒にこっちに戻ってきたのだ。
 拓馬は彼女に手を差し伸べる。だが、彼女は首を横に振った。

「きつかったら休めっていつも言っているだろう」

 拓馬の友達がそう彼女に伝える。
 そんな彼を見て、彼女は頬を膨らませた。
 わたしはそのやり取りに驚いていた。

 二人が友人というイメージを持っていなかったからかもしれない。

 彼は本田さんの腕を掴む。彼女は今度は拒まなかった。

「鞄、持ちます」

 わたしはそういうと手を差し出した。本田さんは彼に促され、鞄をわたしに手渡した。

「拓馬は遅れると伝えておいて」

 彼はそう言い、拓馬は心配そうにしながらも頷いていた。
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