わたしは年下の幼馴染に振り回されています
「お昼は?」

「クラスメイトがおにぎりを買ってきてくれました」

 彼女が指したのは鮭の入ったおにぎりだった。

お昼に軽く食べるくらいならいいんだろうけど、必要以上の栄養をとれなさそうな食事に心配になる。

 だが、わたしと彼女は先輩と後輩でしかない。

「ゆっくり休んでね」

 彼女ははにかみながら、微笑む。

 わたしはその足で教室に戻ることにした。

「随分、遅かったね」

 佳代も里実もお弁当を食べ終わったようだ。

彼女たちのお弁当は片づけられていた。

「保健室に顔を出してきたから」

「どうだった?」

「元気そうだったよ。ずいぶんましにはなったみたい」
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