わたしは年下の幼馴染に振り回されています
里実の言葉に応え、自分の席に着くと、出しっぱなしになっているお弁当の続きを食べることにした。
「でも、そんなに体調が悪いなら、早退したほうがいいんじゃないのかな」
里実は持っていたオレンジジュースにささっているストローをくわえていた。
「家庭の事情も関係あるのかな」
「家庭の事情って?」
「彼女、一人暮らしらしいから家に帰って悪化でもしたらってことじゃないかな。実のところは分からないんだけどね」
あのどこか冷めた少女のことを思い出し、なんともいえない気持ちを抱く。
拓馬と同じだ、と思ったからだ。
それなら尚のこと、食事などはきちんと食べたほうがいいような気がしたが、友達でもないわたしがそう口にするのは余計なことでしかないことも分かっていたのだ。