わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 マンションを出ると、わたしの携帯が鳴った。発信者は奈月だった。電話を取ると、冷めた声が聞こえてくる。

「今、どこにいるの?」

「友達の家で雨宿りをしていたの。今から帰るよ」

「雨宿りって雨は三十分ほど前に止んでなかった?」

「まあ、そうなんだけどさ。今から買い物をして帰るから」

 先ほど行きかけたお店に行くことにした。

 お店に行くと、特売で安かったのか、わたしが買った醤油が最後の一つだった。

レジに行こうとしたとき、紅茶売り場が目に映る。カモミールを何気なく手に取る。貧血によいとは聞くけれど……。


 わたしはカモミールをかごの中に一緒に放り込んだ。
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