わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 静かな教室に、流暢な英語が響く。一つの音として聞こえる英語を聞きながら、自分の鞄を見た。

 買ってしまったけど、どうしよう。

 このまま持って帰ってしまおうか。

 そのタイミングを見計らったかのように、チャイムが鳴り響く。

 そのとき、教室にチャイムの音が教室内に轟いていた。英語の先生は挨拶をすると背筋を伸ばし教室を出て行く。ドアが閉まると教室が騒々しくなる。

「ごはんを食べようか」

 佳代に促されて顔を上げる。

「先に食べていて」

「拓馬君と食べるの?」

「そうじゃないんだけど。そのうち戻ってくるから」

 わたしは鞄を手に教室を後にした。

 二人は不思議そうな顔をしていたが、深く追求してくることはなかった。



 わたしは拓馬のクラスに行くと、開いている教室から覗くと、本田さんの姿は見当たらなかった。

 今日は休みなんだろうか。

 そう思ったとき、背後に人の気配を感じる。振り返ると、拓馬の友人が立っていたのだ。

 彼はわたしと目が合うと、白い歯をこぼしていた。
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