わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 わたしはドキッとしながら、拓馬のところにいく。

 彼はわたしをちらりと見ると無言で歩き出した。

 わたしは慌てて靴を履き替え、拓馬のあとを追う。

「どうかしたの?」

 彼に声をかけることができたのは、学校を出てからだった。

「さっき、二年生の人と一緒にいた?」

 わたしは頷いた。嘘をつく必要もなかったためだ。

「何の話をしていた?」

「なんというか」

 奈月のことが好きで、好みのタイプを聞かれたと答えていいのだろうか。
 でも、わたしは結局言い出せず答えに詰まる。

「悪い。そんなの聞くのっておかしいよな」

「どうしたの?」

 拓馬の声に重なるように、聞きなれた声が届いた。

 そこには奈月の姿があった。

 彼女はわたしと拓馬を交互に見た。

「今日、家に来ない?」

「いいけど」
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