わたしは年下の幼馴染に振り回されています
少しずつ変わっていく現実
 わたしは何度も携帯をチェックする。拓馬がいつも来る時間なのに、彼はまだやってこなかったのだ。

 携帯に電話がかかってきて、わたしは電話を取った。

「美月?」

「どうしたの?」

「ごめん。今日、学校は休むよ。風邪引いた」

「分かった」

 心配だが、わたしも学校に行かないといけない。

 歩きかけた私の背後から、私を呼ぶ声が聞こえてきた。

 振り返ると翔子と市井さんの姿があった。


「おはよう」

 わたしが挨拶すると、二人もそれぞれ挨拶する。

「朝、一緒に学校に行っているの?」

「勝手にごくたまに迎えに来るんです」

 彼女は頬を膨らませ、顔を背ける。

 そんな翔子の態度に市井さんは嫌な顔をせずに笑っていた。

「今日は一人ですか?」

「拓馬は熱で学校を休むらしいの。今から学校に行くところ」

「よかったら一緒に行きませんか?」
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