わたしは年下の幼馴染に振り回されています
ということは館山君のプレゼントは奈月も知っていたんだろう。
二人はお互い顔くらいは知っているだろうけど……。
二人か、それ以上の人がかかわっている誕生日プレゼントだったのだろうか。
「じゃ、帰ろうか」
「やっぱり少しだけ」
拓馬はそういうと、わたしの唇に軽くキスをした。
優しく触れるだけのキス。だが、わたしの胸の鼓動は早いテンポで刻み続ける。
再会した時のキスは驚きが上回り、それどころじゃなかった。
今はどきどきのほうが数倍上だ。
わたしの顔が赤く染まっていたと思う。
「拓馬」
「誰も見ていないから大丈夫」
拓馬はわたしの手を握る。
「学校だから」
わたしは彼の手を振り払おうとするが、拓馬はわたしの手を離そうとしない。
わたしは観念して、誰かに会わないことを祈りつつ、彼の手の感触を味わうことにした。