わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 拓馬の家に寄り、家に帰ったわたしは千江美と奈月に出迎えられた。

「じゃ、わたしは家に帰るね。ばいばい」

 千江美はそういうと屈託のない笑みを浮かべ、拓馬と一緒に帰っていく。

「わたし」

「付き合うようになったんでしょ? 拓馬を見ていたらすぐに分かった」

「いつもと変わらないと思ったけど」

「そんなことないよ。すごく嬉しそうだった」

「そっかな。でも、お父さんとお母さんにはしばらく言わないで」

 わたしが鈍いのか、彼女が良く見ているのかは分からない。

 だが、わたしは彼女には叶わないんだろうと何となく感じ取っていた。

 両親は幸いまだ家に帰っていない。

「分かった。わたしがそこまで口に出すこともでもないしね」

「でも、何で分かったの? 拓馬は一言も言わなかったよね」

 わたしの言葉に奈月が笑う。
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