わたしは年下の幼馴染に振り回されています
「本当、美月は変わってないよね」
拓馬は追い討ちのように子供に対して向けるような優しい笑顔を向けてきた。彼の手がわたしの頭を撫でる。
「子ども扱いしないでよ。わたしは高三なんだから。もう再来年には成人だし、結婚だってできるのよ」
わたしはそんな拓馬の態度に驚き、そう強い言葉を伝えた。
だが、普通こんな言葉を年上の人に使うことはっても、年下の人に使うことはあまりない気がする。
「でも、美月が結婚するのはあと六年以降先だから、今から言うのは早急だよね」
「何で六年」
大学に進んで、就職して二年働いてということなのだろうか。
それとも大学院? そもそも大学は受けるが院にまで行くつもりはない。
「俺と結婚するからに決まっているだろう。俺が大学を卒業するまで六年」
拓馬はぽんぽんとわたしの頭を叩いた。
「結婚って何を言っているの」
驚きの言葉に予想外の大きな声が飛び出してきた。
「いい年して道端で大声出して恥ずかしくないの?」
奈月は肩をすくめて、わたしのそばまで顔を寄せてそうささやく。
わたしが辺りを見渡すと、道行く人がわたしたちを見ていた。
わたしと目が合うと、みんな目をそらす。
もう何も言えなくなってしまった。
そして、拓馬に引きずられるようにして家に帰ることになったのだ。